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2023/06/01

大腸内視鏡検査の流れ(前日から検査日にかけて)



大腸(下部)内視鏡検査を受けたことありますか?

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けた経験はありますか。「胃カメラならあるけれど」という方もいらっしゃるかもしれません。お尻からカメラを入れられる恥ずかしさや、「なんだか痛そう」といった心配もあるかもしれません。少しでも不安を減らし、理解を深めていただく手助けになればと思い、今回は大腸カメラ検査の意義や流れをお伝えします。

【大腸検査とは】

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を挿入し、小腸の出口から手前の直腸まで内視鏡を引き抜きながら、大腸内部の粘膜を詳しく観察する検査です。大腸がんなどの早期発見や早期治療に役立ちます。観察とともに組織の一部を採取して病理検査も行えるため、病気の判定に有用です。
通常、大腸内には便があります。大腸カメラで大腸を観察するにあたり、便が残っている状態では観察したい粘膜部分が隠れてしまい、検査時間を要したり、正確な診断がしにくくなったりします。そのため、検査を受ける前から大腸内をきれいにする準備を始めます。

【検査前までの食事・薬剤~検査を午後に受ける場合~】

検査3日前から、海藻類やキノコ類など繊維の多いものや消化の悪いものは控えましょう。当院では、検査前日の朝昼晩に大腸検査前食(eコロン食)を食べてもらうようお渡しします。検査当日は朝食を、検査が午後の場合は昼食も控えていただきます。
一方、検査前夜から当日にかけて薬剤を服用してもらいます。前日は夕食後の午後8時頃に、自然に近い排便を促す薬(ピコスルファートナトリウム)を飲んでいただいています。
検査当日は朝に水溶性下剤(ニフレック)を飲みます。2リットルを約2時間かけてゆっくりと飲み進め、数回の排便でしだいに水様便(液体のような便)になります。頻回に便意が催されますので、トイレ間を往復してもらう必要があります。最終的に透明感のある液体になれば、大腸内が空っぽになったサインとなります。

【検査】

検査の指定時間の30分前に来院し、受付、血圧測定を済ませてください。特別な検査着(お尻部分にスリットが入っているハーフパンツ)に着替えてもらいます。検査の痛みや不安を減らすため、希望者には鎮静薬を注射します。
検査では、内視鏡を肛門から挿入し、大腸内を観察します。まずは大腸の最奥部分まで挿入した上で、カメラを引いていきながら、盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸の順番で観察していきます。状況や個人の差はありますが、全体の所要時間は20分ほどが目安になります。当院では希望があれば、同日に胃カメラ(上部内視鏡)検査を受けることができます。

【検査後】

検査後は少し休んでから、帰宅していただきます。鎮静剤を使った場合は院内で30分ほど体を休ませてください。医師から特別な指示がなければ、1時間後くらいから食事をとっていただけます。